ゆうがた [風と共に]
だれもいない隣の部屋で
誰かがよんでいるまるでぼくのように
ぼくは急に扉を開ける
こっちは暗いのに
そこには明るく陽が射していて
たった今誰かが立ち去ったところらしく
影がちらと目をかすめる
だがぼくが追うと もう誰もいず
あたりまえなゆうがたになる
花瓶には埃がつもっている
窓を開けると空が明るくそこでも。。。
誰かがよんでいるぼくのように
「愛について」より
by 谷川 俊太郎
2007-12-16 02:11
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